南三陸百景―。
ここでは、南三陸町内で見つけた100のスポットを探し出してご紹介していきたいと思います。
第1回は、南三陸町屈指の名勝・神割崎(かみわりざき)を訪ねました。
神割崎は南三陸町の南東部、戸倉地区寺浜と、石巻市北上町のちょうど境界に位置しています。
JR志津川駅からだと車でおよそ20分。
途中まで、国道45号東浜街道を走り、元・戸倉郵便局前の折立交差点から国道398号線、志津川湾沿いに走ると案内板が見えてきます。
そもそも、なぜ神割崎と呼ばれるのか。
この地に受け継がれてきた言い伝えによると、
かつて、この場所には長清水(ながしず)村(現在の南三陸町戸倉)と十三浜村(現在の石巻市北上町十三浜)がありました。
ある日、この浜辺に弱り果てた大きな鯨が打ち上げられ、両方の村の住民は天からの授かり物だと大喜び。
ところが。
両方の村の境がはっきり決まっていなかったことから、鯨ほしさに「この場所は自分たちのものだ」と三日三晩争い続けました。
その三日目の夜、この地は落雷を伴う猛烈な雷雨に見舞われたそうです。
翌朝、浜の人たちがこの場所に行って見ると、この浜にあった岩が真っ二つに割れ、鯨も二つに割られていたといいます。
その様子を目の当たりにした両村の人々は、これは神様が岬を割って、いさかいの仲裁をしたのだと思い、争いをやめて、鯨も仲良く分け合うことにしました。
そして、その岬にあった岩の割れ目を両村の境界と決め、
今も、この場所は南三陸町と石巻市の境界になっています。
ここから、「神が割った岬=神割崎」と呼ばれるようになりました。
(参考文献:神割崎記念碑に刻まれている北上町史及び南三陸町観光協会発行のパンフレット)
神割崎 ここがポイント!
*南三陸金華山国定公園内にあり、全国白砂青松百選にも選ばれた南三陸屈指の景勝地。
*2月中旬と10月下旬には、岩の間から日の出を見ることができる。
*岩の割れ目の間から押し寄せる荒波は圧巻。
*東日本大震災をはじめ、数々の大津波や震災に耐え忍びました。
【お知らせ】
東日本大震災の影響で、遊歩道の一部が立ち入り禁止となっています。そのため、神割崎を間近に見ることができるルートが封鎖されています。あらかじめご了承下さい。もちろん、その手前からでも神割崎を見ることができますよ。